麗澤校友会員のお店Shop list
麗澤校友会員が運営しているお店をご紹介いたします。
普段ではなかなか出会うことができない年代との交流のチャンスでもありますので、是非いらっしゃってください。
博士レストランビレッジ
田中聖則さん(麗高・32期)
医食同源に麗澤の心を添えて
───親子力を併せ、幸せをプロデュース
柏駅から東武野田線で15分、鎌ヶ谷駅のロータリーを抜けると「博士ラーメン」の看板が目に入る。「昔はよく〝ひろしラーメン〟と読み間違えられてね(笑)」と田中聖則(せいのり)社長。医学博士の父と次兄、薬学博士の長兄と三人の「博士(はかせ)」が協力する同店の売りは、14種の天然素材を煮込んだ美容スープに、「かん水」を麺に使わない「予防医学をとりいれた」ラーメン。県外からの客も絶えず、週末には行列のたえない繁盛店だ。
学究一家に育った田中社長が、飲食店経営を志しはじめる発端は、麗澤高校での寮生活。「毎晩のイーティングで必死にコンロに向かった経験から、料理で人を喜ばす面白さを知りました」。卒業後は医者の道も考えたが、医学部受験の壁の高さに、選んだ道は応用電子工学。しかし興味が持てずに飲食店でバイト経験。オーナーに信頼され、メニューから価格まで自由にアレンジできる楽しさ、お客の笑顔が増えていく面白さに、飲食店経営をわが道とする思いが一気に膨らんだ。調理の夜間学校へ二足の草鞋(わらじ)で免許をとり、資金を貯め、卒業四年後の昭和51年、25歳で店を開いた。
店のコンセプトには「おいしさ」「健康で長生き」に加え「誠意と敬意」も重視。ネクタイ姿でラーメンを運び、アルバイト全員に所作から言葉づかいまで礼儀を徹底教育した。「すべては麗澤精神。お客様の安心安全、仕入れは金額より信頼関係を重んじるのも、みなその実践です」。
平成5年には隣地に本格的なタイ料理店をオープン。そして6年前、そのまた隣地に今度は本場イタリアンの店「ドクトーレ」を開店した。父で栄養学の泰斗・田中静雄博士が大切に育てた自然庭園を眺めながら、ゆったりと食事を楽しむ「医食同源」に「栄養医学」を掛け合わせた新感覚イタリアンの同店。癒しの空間づくりは、長女のデザイナー聖子さんの仕事。そこへ海外でホテルマネジメントを学んだ長男・一聖さんも加わり、家族4人のコラボレーションが創業35年の博士レストランに新たな息吹を吹き込む。「麗澤校友会員はみな同志。気軽に来店いただき、健康、長生きで元気に活躍していただけたら」
しあわせ菓子 ふらん・どーる
金岩重典さん(麗高・44期)
お菓子づくりはしあわせづくり
───基礎となった麗高での生活
金沢西インターから車で25分、レンガ造りの可愛らしい店がある。「しあわせ菓子 ふらん・どーる」だ。絹のような皮になめらかなクリームが大人気の絹ごしシュークリームや、地元・能登の契約農家が厳選した減農薬赤土栽培の金時いもを使った山科長者(スイートポテト)に、県外からのお客様も多い有名店。
元々、明治40年に初代が始めたのは和菓子店だったが、3代目の時に洋菓子に転換、一躍人気店となる。現在、お店を切り盛りするのは、4代目の金岩重典社長だ。麗高44期の金岩社長は、高校受験時、反抗期で親元を離れたい思いと、それでも親に喜ばれたい思いがあり、麗高での寮生活を選択。「息子の政暢が今、麗澤大学に在学中ですが、同じような思いがあったのかもしれないね」と話す。高校卒業後は、関西の洋菓子屋で修行を積んだ。修行から帰って、先代である父と一緒に仕事をする中で、時に衝突もしながら、父の技や思いを受け継いだ。「やり方は少し違うけれど、〝一人ひとりの幸せ〟のためのお菓子づくりという理念は、父も私も同じものを持っている」と話す。
精神的な幸福と、物質的な幸福。物心両面があってこそ人は幸せになれる、との考えのもと、金岩社長は人材教育にも力を入れている。
「うちの店だけで役立つ人でなく、社会で役立てる人になれるよう、自立した一人前の人づくりに力を入れています」。
『お菓子づくりはしあわせづくり』という理念を掲げる「ふらん・どーる」では、自分のビジョンを作って貼り出し、それを周りが応援する仕組みを作っている。内容は人それぞれで、中には、「5年後、子どもを大学に送り出し、主人と旅行に行きたい」というビジョンを掲げるパートさんも。「働く人の幸せと、お客様の幸せを常に一緒に考えるという理念だから、仕事だけのビジョンでなくていいんです」と金岩社長。「いろんな立場や考え方の仲間と過ごした麗澤での寮経験が、今の私のベースです」そう語ってくれた。
しあわせ菓子 ふらん・どーる
住所:石川県金沢市山科1-3-17(本店)
電話:076-243-5700(本店)
その他、めいてつエムザ店、オンラインショップもあります。
羽田市場食堂 柏東口店
風澤俊之さん(麗高・60期)
地元・柏に食を楽しむ文化を創造したい
柏市内に「羽田市場 柏直売店」、「立呑みもつ焼処 柏二丁目酒場」、「カフェテリアナナホシ」、「天ぷらめし 天之助」、「裏路地酒場 にこみや武士」の5つの飲食店を運営する株式会社フーサワの若き経営者が麗高、麗大で学んだ風澤俊之(60高大)さん。
同社の創業は大正元年。俊之さんの曽祖父様が米や雑貨の小売りをお始めになったのが始まり。その後洋品店を営む傍ら、昭和48年に喫茶店をオープンし、飲食業に参入。地元・柏で基盤を築いた父・俊夫さん(28高29大)から、平成23年、俊之さんは社長を受け継いだ。「父の手がける全事業を兄(俊一)が引き継ぐと思っていたので、話があった時は驚きました」
大学卒業後、一般企業に就職し、忙しい日々を送っている最中、「飲食部門をやらないか」と父から打診を受けた。調理の知識も経験もない自分に務まるのかと悩んだ末、兄の俊一さん(58高)と相談し、飲食業界へ乗り出すことを決めた。
俊之さんは「目先の利益よりも、人を大事にしていきたい」と話す。朝礼では麗澤で学んだモラロジー精神を基軸に、小冊子『ニューモラル』を利用して、心を育てる場づくりを重視している。
何より「人」を大切にする経営観のベースは、企業理念「食を楽しむ文化の創造」にある。人なくして文化は創造できない。「ここ柏に、食を楽しむ文化を創造していくために、社員が安心して将来を見据えられる会社をつくるために、適正な拡大をしていきたい」と、百年企業の看板を背負うその眼差しは、次なる百年の未来を見据えている。